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Author:幸子
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家族を知り愛を知る

安心しきっていた半年から目覚めた日。

オカンが退院して半年くらい経つ。
背中の痛みも少しづつ収まりベッドにいる時間も少なくなり、スムーズとはいかないけど何とか家事をこなせるまでになった。
荷物はそんなに持てないから少ししか買えないけど、一番家の近くのスーパーに歩いて買い物に行けるようになった。
不安定ではあったけど、私が仕事で行けない時間帯のダイヤの散歩にも行ってもらえるまでに回復。
意思疎通も問題なかった。
そんな毎日を重ねるうちにすっかり安心しきって、また前のように動物のことしか見えない毎日。
ふと気がついたら、オカンと話が噛み合わなくなっていた。
何を言ってるのかさっぱり解らない、伝わらない。

「なんでできひんの?前にも言ったやん。さっき言ったばっかりやん。なんで理解できひんの?」

そんなセリフを度々吐く自分。
オカンはもともと主語がなかったり何かの説明をするのが苦手というのがあったから、どこかで気のせいだろうとは思いたかったがもう認めなくてはいけない。
脳出血の後遺症とも言えると思うが、オカンに痴呆の症状が出ている。
数日前、今まで出来ていたダイヤのおむつの付け方が解らなくなっていた。
その姿を見たときは心臓が激しくドキッとした。
他の部屋の電気をつけっばなしにしてたら「ちゃんと消しや」と私に注意するくらいまでになっていたオカンは最近そこら中の電気をつけっぱなしにしている。
何かに手をつけても中途半端に放置。
こないだは火を点けっぱなしで危うく火事になりかけた。
そして、今まで出来た事ができないというショックそうなオカン。
私とジジイが、オカンに「おかしい。」と度々言ってしまった事がオカンを更に追い詰めていたようだ。
自分がおかしいのではないかという不安な気持ちが症状を悪化させてるかもしれない。
オカンの気持ちを知り発言に気をつけようと思いながらもそれでもついついオカンの反応にイライラしてしまう私、、
脳出血で倒れてから明らかにおかしな行動をしていたオカン。
物事を計画する、そういった部分がやられてしまっているので元通りにはならないだろう、
痴呆的な症状は消えないかもしれないと先生からも言われていたが、その後ほぼ元通りと感じるまでに奇跡的に回復したオカン。
それを考えれば、一度覚悟はしていたわけだし、あれから戻らなかったのだと考えればいまおかしくなったという表現はおかしい気もするし、そう考えればまだ気持ち的には楽なのかもしれないが、ただ前とは明らかに違うことがある。
それはオカン自身に自覚があるということ。
自分がおかしい事が分かる。とてつもない恐怖だろう。とても辛いこと。

去年の春に倒れてから勤務時間を短くしてもらってたけど、この1ヶ月ほど前から元通りとはいかないが今なら大丈夫だろうと勤務時間を少し元に戻した。
しかし今日からやはり勤務時間を短縮。
あらゆる判断能力が失われてきているオカン。今の状態は監視が必要な状態と感じる。
安心して仕事もしてられないが収入ないと生活できないから仕事しないわけにはいかない。
せめて少しでも家に早く帰るくらいしか今はできない。
家に帰ったら火事になってるかもしれない、、そんな覚悟まで抱えながら仕事に行かないといけないなんて、なんと情けないし悲しいことか。
今の状態では危険を感じるから、今日から私がなるべく早く帰るからダイヤの散歩は行かないように念を押して出かけたのに、
帰り道、ダイヤを連れてるオカンを発見、、(ーー;)
「ちょっと!行かんといてって言ったやん!!言ってる事わからへんの?」
「行かなあかんかなと思って、、」というオカン。
やはりこちらの言ってることが理解できない状態。
そしてダイヤを見たらリードがちゃんとつけられていなかった。
バイクや自転車が走ってると向かっていくダイヤ。。
リードは命づななのに。
危険を回避するには傍でチェックするしかないってのは良くわかってる。
しかし、いまその環境を作るのは難しい、、
どうしたらいいのかと悩むが答えは出ない。
自分ができる事を探してやるだけ。
まだ自覚もありコミュニケーションに問題ない部分もありはする。
今のうちにオカンも伝えておかないとと思ったのだろう。
今日は兵庫県にいる妹にオカン自ら電話していた。
電話を聞いていると一方的に話しているオカン。
きっとオバちゃんはオカンが何を言ってるか解らないだろうと、電話を変わってもらう。
これから妹の事もわからなくなる日も来るかもしれないから、
いつ何があるかわからないから(それはオカンだけでなく誰にでも起こりうることだが)
近々会う約束をした。
そして九州にはオカンのオカンや兄弟が沢山いる。
数ヶ月以内にオカンを九州に連れて行けたらいいのだが、、
経済的な問題やらなんやら色々厳しい、、。あ~情けない。
そしてお金お金の世の中が憎い。
オカンのオカンは完全にボケてしまってて、オカンが誰なのかも解らない。
そんなオカンに合わせることは残酷かもしれない。
それでもオカンは九州に帰りたいという。
無事連れて行けたらいいのだが。

そうだ。昨日まだ自分にできるか、確認したいとマッサージしてくれた。
遠慮なくしてもらった。気持ちよかった。
いつぶりやろう、オカンのマッサージ。
仕事止めて随分経つから前よりはヘタにはなってるけど、問題なく出来た。
やろうと思ったことができる。それが確認できることはオカンの栄養になる。
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